活動方針

たかきび(もろこし、こうりゃん)


1.主な産地

 一関市(旧大東町)、九戸村、二戸市、軽米町


2.特徴

 たかきびは、ひえ、あわ、いなきびなどと違い粒状では煮えにくいので、古くから製粉して「たかきび粉」として使用されていました。
 最近は雑穀の食べ方が多様化し、わずかですが粒状でも使われるようになりました。苦味があるので水浸などによってあく抜きをした後に製粉します。


3.生産の歴史的由来

 たかきびは一般的には「もろこし」と呼ばれ、中国から渡来したと伝えられています。いつ日本に渡来したかは定かではありませんが、14世紀頃にはすでに渡来していた記録があり、岩手でも古くから栽培され、食べられてきました。

 とりわけ、飢饉や戦後の食糧不足の折には貴重な食糧でしたが、1970年頃には食用としての栽培はほとんど消滅しました。しかし、伝統食の見直しにより再び栽培されるようになり、現在、若干ですが収穫量が増加傾向にあります。


4.現在の代表的な栽培方法(二戸地方)

 たかきびは無農薬栽培であるため、連作による雑草の発生が毎年増えることから小麦、大豆、そば、野菜、たばこ等との輪作が行われています。5月中旬に播種し、雑草害による収穫低下を防止するために、間引きと除草を2回ぐらい行います。

 また、倒伏防止のために、出芽20日後と40日後くらいに培土を行い、出穂後40日を目安に刈り取ります。穂だけ鎌で刈り取り、ハウスにシートを敷き、広げて乾燥するか、乾燥機で乾燥させます。

 鳥害を少なくするため、以前は反射テープや防止糸などの対策を講じていましたが、現在ではたかきびは鳥害が少なく、それらの対策はほとんど行っていないようです。


5.伝統的な食べ方・行事とのかかわり

 たかきび粉をこねてだんごにし、中央をくぼませて、小豆汁に入れて作る「うきうきだんご」(へっちょこだんご)や、中に小豆あんを入れて作る「きびだんご」があります。

 県北では、農神様や蒼前様(馬の神様)を祭る日とかお年取りの日に「うきうきだんご」か「きびだんご」を作って供えました。

 また、二戸地方では秋の農作業が終わると、庭仕舞いと称して、手伝っていただいた人々の労をねぎらい「へっちょこだんご」を作って、振る舞います。「へっちょこ」は二戸地方の方言で「苦労」という意味で「ご苦労さまでした」の感謝の意をこめて作られます。

 また、「うきうきだんご」や「きびだんご」は、農作業の小昼や子どものおやつとしても食べられました。

一口メモ

 「へっちょこだんご」は、二戸地方に言い伝えられている由来のほかに、中央がくぼんでいることから「へそ」にちなんで名づけられたともいわれ、また、「うきうきだんご」は小豆汁の中でだんごが煮えると、次々と浮き上がってくることから名づけられたといわれています。

 たかきびは、もち性とうるち性がありますが、もち性は弾力のあるおいしいだんごが出来ます。うるち性の場合は、白玉粉か、もち米粉を2、3割加えると、弾力が増してきます。

うきうきだんご(へっちょこだんご)

■材料(4人分)

小豆…1カップ

水…4カップ

砂糖…100g

塩…小さじ1/2

たかきび粉…2カップ

熱湯…1カップ弱

■作り方

①小豆に水3カップを加えて強火にかけ、煮立ったら湯を捨てます。再び水4カップを加えて中火で煮ます。小豆が軟らかくなったら木杓子で半つぶしにし、減った分の水を足し、砂糖と塩を加えて小豆汁を作ります。

②たかきび粉に熱湯を加えてよく混ぜ、耳たぶ位の固さにこねます。

③②を直径2cm位の球状に丸め、真ん中を親指と人差し指で押してくぼみをつけ、煮立っている小豆汁の中に入れます。だんごが浮き上がったらできあがりです。