活動方針

雁喰豆


1.主な産地

盛岡市(旧玉山村日戸地域)


2.特徴

 豆の表面に「雁喰豆」の由来となる、特徴的なしわがあります。

 このしわが、煮豆で嫌われる皮割れを防ぎ、きれいに仕上がります。 このしわは、他の地域で栽培されると生じないといわれています。

 大粒で独特の弾力と柔らかさがあり、煮豆にすると、こくのある風味でふっくらと仕上がる特性があります。


3.生産の歴史的由来

 旧玉山村の在来系統の黒平豆は、表皮に3本のしわの出る特徴があり、渡り鳥、雁が渋民で落とした一粒の種から芽吹き育ったという言い伝えがあります。また、表面のしわ模様は雁が嘴でつまんだ跡であるとか、雁の爪の跡であるともいわれています。

 旧玉山村で雁喰豆が栽培された記録は、大正時代初期まで溯ります。

 当時、旧渋民村役場で農業技手をされていた方が、黒平豆振興を図るなど、全盛期には3斗入で1万俵もの生産量があったといいます。

 当時から渋民村の雁喰豆は東京方面へ出荷されており脚光を浴びてきました。

 料亭などでも好んで使用され、渋民の特産、大黒豆ともいわれてきました。


4.現在の代表的な栽培方法

 これまで国内農機メーカーは平豆用に播種機を提供していなかったので、作付け面積が増えませんでしたが、近年、アメリカ製の播種機を導入して大規模作付けが可能になりました。

 5月頃に播種し、成熟させて、刈り入れるのは10月半ばから11月にかけてです。

 豆の選別には、未だ機械化ができておらず、黒豆の皮が割れると価値が低下することから、生産者、近隣からの人手確保により、手選別を行っています。


5.伝統的な食べ方・行事とのかかわり

 雁喰豆は、縁起物として、正月料理やおめでたい席、お酒を伴う宴会で食膳をにぎわしてきました。その他には、豆腐や味噌、夏は枝豆として食べられています。

 飲み過ぎの解毒作用や、脂肪中のリノール酸を増やし、体内のコレステロールを分解し、血圧を下げる効果があるともいわれ、酒を伴う祝宴などで供されてきたのは、食生活の知恵の一つでしょう。

 JA玉山村(現・JA新いわて)が、平成3年に一村一品運動の理念から、雁喰豆の煮豆を加工し、雁喰豆に付加価値をつけて販売を促進していこうと、煮豆「南部ひら黒」を開発しました。この「南部ひら黒」が雁喰豆を全国に広めることとなりました。

 年末には、全国各地から注文があり、一年を通して煮豆を食べていただくことで、「煮豆即お正月のおせち」という既成概念から、普段のお茶受けやお弁当の一品として、黒豆を食べるという日常の食材として認識してもらえるようになりました。

 注文生産の寄せ豆腐や、産直出品用に豆腐を作り、青豆と白大豆とともに3色豆腐として販売を始めました。

 さらに最近工夫した加工商品として「炒り豆」「甘納豆」があります。

 いずれも雁喰豆の特性を活かした特有のこくのある風味が味わえます。

6.加工品の例

 煮豆、炒り豆、甘納豆、豆腐。

煮豆

■材料(4人分)

雁喰豆…1カップ

砂糖…110g

醤油…大さじ1

■作り方

①雁喰豆を4カップの水に、6時間くらい漬けておきます。

② ①を、はじめは強火にし、煮立ったら弱火にして、あくを取りながら、豆がやわらかくなるまで煮ます。(指でつまんでつぶれるくらい)。常に、豆にひたひた程度の煮汁が保たれるように、水を追加しながら煮続けます(3~4時間くらい)。

③豆がやわらかくなったら、砂糖を2、3回に分けて加え、最後に醤油を加えて火を止め、そのまま煮汁につけて、一晩おきます。

※鉄鍋を使うか、古釘を4、5本入れて煮ると、美しい黒色に仕上がります。