活動方針

天然ほや(まぼや)


1.主な産地

洋野町(旧種市町)


2.特徴

 最近は、養殖のほやが多くなっていますが、旧種市町の天然ほや(まぼや)は、「南部もぐり」と呼ばれる専門家が、海に潜って手で直接採ってくるもので、味は養殖ものの比ではありません。ほやは、皮の部分がセルロースで出来ており、海底の岩に付着しているので植物のように見えます。上側にある吸水孔と出水孔を切り取り、殻をむき中を開くと、強烈な橙色の肉質、灰白色の膜状のえら、そして濃緑色の肝臓があります。

 ほやは、特有の甘味とにおいがあり、肝臓も珍味です。ほやに含まれるセレン(セレニウム)は、必須ミネラルの一つで、過酸化資質を分解するときに働く酵素の重要な成分で、抗酸化作用はビタミンEよりはるかに強いといわれます。

 天然ほやは、漁獲方法も含めて、地域に根づいた重要な食文化資源です。


3.生産の歴史的由来

 天然ほやは、「南部もぐり」が八木港を基地にして、80年くらい前から採っていましたが、種市港が出来てからは、種市港を基地にして30数年間、採り続けています。

 1898年に、種市沖で貨客船名護屋丸が座礁し、その解体引き揚げ工事のため、房州(現千葉)から4人の潜水夫がやって来ました。この「房州潜り」の組頭三村小太郎が、工事人夫として雇った磯埼定吉の潜りの素質を見抜き、ヘルメット式の潜水技術を伝授したのが「南部もぐり」の始まりと言われています。

 素潜りしか知らなかった住民たちが、この潜水夫の仕事に強い関心を持って、意欲的に習得しました。現在は、磯埼元一郎さんや元雄さんに引き継がれています。


4.現在の代表的な採取方法

 ほやの潜水漁法の「南部もぐり」は、80kgの潜水服を着て、25m位の海底に潜って直接手で採っています。一回の潜水時間は、2~3時間で危険な作業で体力が消耗します。天然ほやの保護のために、7cm以下のほやは、絶対採らないように決めていて、乱獲しないようにしています。


5.伝統的な食べ方・行事とのかかわり

 ほやは、三陸沿岸の夏の味覚です。二つ切りにしてわたを取り除き、海水か塩水で洗い、小指より細いくらいの幅に切り、酢醤油などで食べます。この季節はきゅうりが採れるので、薄く輪切りにし、軽く塩もみにして合わせて食べることも多く、夏らしい風味が増します。



ほやめし ほやのキムチ

■材料(4人分)

ごはん…300g

ほや…1.5個(約80g)

つけたれ(麺つゆ代用)…大さじ2

大葉…2枚

白ごま…小さじ1

■作り方

①ごはんを炊いておきます。

②ほや80gを小さい角切りにし、少量の熱湯でボイルします。大葉は細い千切りにします。

③ボイルしたほやを麺つゆに浸し、ごはん、大葉、白ごま(炒ったもの)と、ほやを汁ごと混ぜ合わせます。

ほやのキムチ

■材料(4人分)

天然ほや…3個(約150g)
塩…小さじ1/2
キムチの漬け汁…大さじ2

■作り方

①ほやを細切りし、塩、キムチの漬け汁とよく混ぜます。